名前の無い物語
「!」
黒い影のような生物
そう聞いて、思い浮かぶのはついこの間の光景
自分達が町に最後に居た時戦っていた相手
「奴等はいきなり世界中に現れた…。長年開かなかった『異空の回路』を開いて、世界を行き来しているようじゃ。」
「異空の回路!?」
校長の言葉に驚きの声をあげたのは
柚歌だった
「知ってるのか?」
「えぇ…。昔、姉に教わったお伽噺の中に。
けどまさか、本当にあったなんて…。」
沙耶が好きだったお伽噺
まさか異空の回路が存在していたなんて…!
「そう、異空の回路は存在する。これを説明するには、あるお伽噺が必要じゃ。そうじゃろ?」
校長の言葉に柚歌は頷いた