名前の無い物語
振り返った先には
昔とは違う…大切な仲間達
「もういいの?」
「あぁ。いつまでもここにいちゃ、陽斗達に怒られそうだし。」
ハハッと吉野は笑って言った
その様子に、三人は頷いた
吉野が決めたことなら
自分達が言うことはなにもないだろう
「…行こうか。」
空の言葉に、吉野達はうなずく
そして、ゆっくりと足を進めていった
途中、吉野はもう一度墓石の方に振り返る
…俺、ちゃんと前に進むよ
陽斗、伊織…ちゃんと見てて欲しい
俺が必ず…この世界を救ってみせるから!
「…行ってくる。」
そう呟いた吉野の言葉は
静かに消えていった