名前の無い物語
強い瞳で睨み付ける吉野
そこには、怒り等ではなく
純粋な光が映っていた
「フッ…フハハハハッ!」
突然笑い出す鎖邊
笑いが止まると、鎖邊の瞳から殺気が発せられる
「まだそんな事を言っておるのか?夏村の教えはまだ消えぬようじゃのう…。」
「俺を導いてくれたのは師範だ。師範の教えは…俺の全てだ。」
闇は敵だと教えてくれた師範
光の素晴らしさを教えてくれたあの日々
今の俺を作ってくれた…愛しい日々
鎖邊からの殺気に
海達はギュッと拳を握った
…落ち着け
吉野が、恐れずに立ち上がったんだ
俺たちが足を引っ張る訳にはいかない
「…愚かじゃのう、相変わらず。」