名前の無い物語

強い瞳で睨み付ける吉野
そこには、怒り等ではなく

純粋な光が映っていた


「フッ…フハハハハッ!」

突然笑い出す鎖邊

笑いが止まると、鎖邊の瞳から殺気が発せられる


「まだそんな事を言っておるのか?夏村の教えはまだ消えぬようじゃのう…。」

「俺を導いてくれたのは師範だ。師範の教えは…俺の全てだ。」

闇は敵だと教えてくれた師範
光の素晴らしさを教えてくれたあの日々


今の俺を作ってくれた…愛しい日々


鎖邊からの殺気に
海達はギュッと拳を握った

…落ち着け
吉野が、恐れずに立ち上がったんだ

俺たちが足を引っ張る訳にはいかない


「…愚かじゃのう、相変わらず。」








< 535 / 595 >

この作品をシェア

pagetop