名前の無い物語




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「何読んでんだよ彰?」


ある日の、いつもと同じ昼休み

いつも通りパンを食べていた空は、何故かさっきから漫画一直線の彰に痺れを切らし

ヒョイ、と漫画を奪ってやった


「あー!何すんだよいいとこなんだぜ!?」

「これって、今流行りの?へぇ…ラスボスか。」

パラパラとページを捲れば、巨大な怪物と傷だらけの主人公一行が戦っているシーン

「けどたしか、このボス…すんげぇ強いんだろ?本当に倒せるのかって彰前に深々と考えてたじゃん。」

「その答えが今、その最新刊にのってんだよ!ホラ、もうちょっと捲れ!」

成る程、これは最新刊だったのか

そんな感想も知らずに、空は彰の言う通りページを捲る


「このシーンでは、仲間の魔法使いが、主人公だけにある呪文を教えるんだ。
それは古くから伝わる魔法だけど、強力過ぎて扱える者は誰もいない…いわゆる禁術って呼ばれてんだよ。」

彰が分かりやすく解説してくれる

確かに、それらしい事が漫画の台詞にあった


「その名称が…『消滅魔法』だってさ!すごくね!?」














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