名前の無い物語


キィン、と剣と剣がぶつかり合う
黒蘭の闇の力が強くなっているせいか…剣圧の重さが変わっていた

「っ!」吉野は一瞬顔を歪めた
黒蘭の衝撃に、吉野は一度上に弾かれる

その隙を逃がさず、黒蘭は空中にいる吉野に向かって剣を投げた


それを横目で確認した吉野は、空中で身体を反転させる
目前に向かってきた剣を、何とか弾き飛ばした


弾いた剣が黒蘭の手に収まったのと
吉野が着地したのはほぼ同時


「うぉぉ!」

巨大な闇を纏って
黒蘭は間合いを詰めてくる

吉野の周りも咄嗟に光が纏い
2つの力が激突した


「っ…!」

ギリギリと音を立てる剣
剣から現れる、2つの相反する力


この競り合いに負けた方が…終わる!


二人はそう判断し、全体力を注ぐ


「「うぉぉぉぉぉ!」」


圧されたり圧し返したり
2つの力は行き来する

…絶対に負けない


ーーまた四人で…星を観ようーー


「約束したんだ…みんなと!」


瞬間、光の力が強くなる

「っ!?」黒蘭はその現象に目を丸くした

何故だ…!?

アイツのどこに…そんな力が!?


その謎が解決される暇も無く
空間は…白い光に包まれた























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