名前の無い物語
身体が光に包まれていくのを感じた
段々と瞼が重くなる
開けているのが…辛くなってきた
そんな中、吉野の意識の中に浮かんだのは
今までの光景
ーー絶対に三人でマスターになろうなーー
陽斗と伊織と交わした誓い
ーーいつか…同じ任務を受けれたらいいねーー
いつの日か…それが夢になって
それが生き甲斐だった
ーー信じろよ、仲間を!ーー
仲間の大切さを教えてくれた海
ーー…ありがとう、吉野ーー
いつも…誰よりも心配してくれた柚歌
ーーお前一人が犠牲になる必要なんてないーー
最初から…親しく接してくれた空
みんなみんな
ありがとう
ーーまた四人で…星を観ようーー
みんなとの『約束』を思い出して
吉野はフワリと笑みを浮かべる
「…必ず、帰るから。」
だから、待っててよ?
光に包まれる瞬間
吉野は笑顔だったーーー