名前の無い物語
+ 最高の結末を
ーー…斎藤柚歌ーー
ーーえっ?ーー
木々が生い茂る森の中
ある少女の言葉に…二人の少年は首を傾げた
ーー私の名前。知らないと不便でしょ?ーー
ニコリ、と少女は笑った
その言葉に、少年二人は顔を見合わせる
ーー俺は二宮海ーー
次に少年の一人がそう名乗った
最後に…まだ名乗っていない少年に二人の視線が向かう
少年は、何も写さない瞳を浮かべて
ーー…滝川吉野ーー
そう、名乗った
まだ心が無かった、つい数週間前の出来事
全てが始まり
同時に…導かれた
運命の日の光景ーーーー