名前の無い物語
「要するに、俺達は來達長老会に嵌められて…そのデュアンテを倒す為にここに呼ばれたって事か。」
海が簡単に纏める
世界に突如現れたデュアンテ
異空の回路を開き、世界を再び闇へ誘う可能性がある
その殲滅の為には、強い心を持った人物が必要
それを探す為に用いたのが…『運命のスプーン』
そのスプーンに選ばれたのが、俺達…?
「ま、こんなのはいつもの事か。」
海の明るい声が響く
学園に居ても、全部いきなりだからな
突然変なのに巻き込まれるのは慣れた
「手荒な真似じゃったが、致し方なかった。許して欲しい。」
「校長…。」
吉野は目を一旦考えた
今校長が話した事が今の俺の現状だ
なら、俺達が今するべき事って…?
「…申し訳ありませんが、校長。」
沈黙だった空気を壊したのは
柚歌だった
「私を元の世界に返して下さい。」