名前の無い物語
+笑顔の毎日
リリリリリリリリリリーーーー
甲高い音を鳴らす目覚まし時計
バシッと音を鳴らして叩くと止まった
「ぅ…。」少年は呻きながら渋々起き上がる
不愉快ながらも、朝が来たのだ
今日は勿論学校
行く意味なんて皆無なのだが、一応自分は学生
仕方なくベッドからでて、準備を始める
適当に制服を着て
適当に髪の毛を整える
ここまではいつもの光景
そして、ベッドの側に置いていた花形のお守りに手を伸ばす
それを見た瞬間、少年は笑った
「おはよう。陽斗、伊織。」
それは今は亡き友の名前
少年はお守りをベルトに着ける
「うわ…遅刻だ!」
行きたくなんかないけど、これは義務だ
そう言い聞かせて、遅刻を免れる為に走り出す
マンションの入り口
一応ポストの中を確認
いつも通り何も無い…筈だった
「ん?」少年はあるものを手に取る
それは差出人不明の
白い封筒だった