名前の無い物語
その日は晴れていた
いつも通り…少女は単語帳を見ながら登校する
自分はもう高校3年
言わば受験生
一分一秒でも多く…勉強していないと落ち着かない
「いよっす、おはよう柚歌!!」
そんな彼女に、一人の少年が後ろから肩を叩く
明るい茶髪のその少年の笑顔に
少女はため息を吐いた
「相変わらずテンション高いわね、彰。」
少女の言葉に、また彰はニヤッと笑う
いや別に誉めてないんだけど
少女はまた溜め息を吐いた
「うわ柚歌ってば朝から勉強してんのかよ!?脳みそ英語になっちまうぜ!?」
「彰こそ勉強しなきゃヤバイんじゃないの?この前だって赤点だったんだし。」
「うっ。」と少年は言葉を詰まらせた
その言葉の通り
この少年は赤点の常連
勿論進路はヤバイ
「柚ー歌ちゃん!」
後ろから抱き付いてきた、小さめの少女
「おはよう、寧々音。」
少女はニコッと笑った
「柚歌ちゃん勉強してる!寧々音もやろっかなー?」
「お前只でさえ学年3位の秀才じゃねぇか!?俺に対する嫌みか!?」
少年がうあー!って嘆き始める
じゃあ勉強したらいいのに
二人はそう思った
「っはよう!」