名前の無い物語
新しく聞こえた声に、三人は振り返る
茶髪に染まった髪
少し気崩した制服
その存在は…ついこの前までこの世界から消えていた
「おはよう…空!」
フワリ、と少女は少年に笑顔を浮かべる
それに対し、少年も笑顔を返した
「よっ、空!」
「よう彰。相変わらずバカそうだな。」
冗談で笑い合う二人の少年
少女は…その光景を見て嬉しそうに笑った
この間まで…彼の存在はこの世界から消えていた
だけど、彼はまたこの世界に戻ってきた
何が起こったか分からない
彼もそう言っていた
けど…例え今は分からなくても
いつかきっと…分かる日が来るよね?
「なにしてんだよ柚歌、寧々音。早く行こうぜ!」
そう言って笑う彼に
少女は「うん!」と頷いた