名前の無い物語
「おい!」海が肩を掴む
が、柚歌はそれを振り払った
「失礼だって事は分かっています。私がやらなければいけない事も…。
けど、私はあの世界を離れる訳にはいかない!」
柚歌の叫び声
どこか、悲しそうに聞こえた
「貴方はさっき、世界中にデュアンテが現れたと言いました…。私達の世界にデュアンテが居た事は自分の目で確認済みです。
なら、こんな所にいる間に世界が…!」
…柚歌?
彼女の顔はどこか苦しそうで
まるで、義務付けられているみたいで…
「落ち着きなさい。」
校長の穏やかな声で、柚歌は「すみません…。」と落ち着いた
「納得できないじゃろうし、お主の気持ちも十分理解している。
考える時間が必要じゃろう…暫く、こちらに滞在していなさい。」
「!ですが「柚歌。」
海の声に
柚歌は黙って俯いた
その光景を吉野は黙って見ていた
「さて、もういいぞい。」