名前の無い物語
テーブルに置かれたコーヒー
「ありがとう。」柚歌の言葉に桜は微笑んだ
「それにしても、まだ信じられないわ…。君達が魔法使いだなんて。」
今柚歌の目の前にいる二人は、普通の人間ではない
お伽噺に出てくるような…魔法使い
「ま、私も最初は半信半疑だったよ。魔法使いなんてすぐには信じられないよね。」
「そっか…柚月は普通の人間なんだっけ?」
柚月は苦笑いを浮かべながら頷いた
話によると、人間だった柚月は入学してからここが魔法を学ぶ学校ーー虹色学園だと知り
魔法使いに囲まれながら少しずつ魔法の勉強をしているらしい
「魔法使いと言っても、私達も人であることには変わりありません。
普通の高校生ですし、普通の学校です。」
もうこんな豪華な寮に住んでる時点で普通じゃない
柚歌は心の中で突っ込んでおいた
「そんなことよりさ、柚歌はこれからどうするの?」