名前の無い物語
ギク、柚歌は肩が一瞬揺れた
「理由は何も分かんないけどさ、何かに悩んでるんでしょ?
私達でよければ相談に乗るよ?」
「えっと…。」
瞬間、校長の言葉を思い出す
ーー君達が他の世界から来たことは絶対に他言してはいけないよ?
世界の干渉は昔から禁じられている…もし破れば均衡が崩れかねないからねーー
「って、ついさっき出会ったばっかの奴等に悩みなんて言えないか。」
「!そんなことないよ。」
そんなことない
だけど、私の悩みは他人を巻き込める物じゃないから
「大した事じゃないよ。少し考えれば大丈夫。」
私一人で背負う事に決めたの
もう誰も悲しませたくない
そうでしょ、空?
ドンドンーー