名前の無い物語

二人は迷わず言った


「…そんなに偉いのか?あの人。」


「偉いってもんじゃないよ。」吉野の問いに拓也は笑った
吉野にとって見れば、あの人はサンタにしか見えなかった



「校長は今の魔法界を造り上げた第一人者なんだ。最強の魔法使いで、何でも知ってる。」



「そんな校長の下で学べる事が、俺達の唯一の誇りだからな。」


二人の言葉に海と吉野は言葉が出なかった
あのサンタがそこまで凄い人だったのかとは別に

めちゃめちゃ凄い人だったという点に驚いた



ドンドンーー



和んできた空気のなか、突如隣の部屋から音が鳴り響く
四人は視線を向けた



「何だよ桜達。やけに盛り上がってるな。」



「何かあったのか…?」



拓也は立ち上がり、玄関の扉を開ける
めんどくさそうに立ち上がった棗に続き
吉野達もあとを追った



「どうしたんだ?」






< 65 / 595 >

この作品をシェア

pagetop