名前の無い物語
「拓也!」廊下には、部屋から出ている柚歌
扉の前の桜と、知らない女の子
そして、柚月の胸の中で泣いている一人の女子学生
その光景を見て、皆部屋を飛び出した
「何かあったのか?」
「それが…。」
言葉を詰まらせる桜
表情が曇った
「うっ…王…。」
「落ち着いて、大丈夫だから。」
必死に慰める柚月を見て、拓也と棗には嫌な考えが頭に浮かぶ
「まさか…。」
嫌な考えが頭に浮かんだ瞬間青ざめる二人
桜は「うん。」と小さく頷く
「この子の魔法が…消えたの。」