名前の無い物語












学生寮の屋上
屋根の上に座りながら、海はポケットから小瓶を取り出した

桜貝が入った小瓶
思い出の桜貝



「…皆。」


思い出すのは、ずっと自分と一緒だった彼ら
幼い頃、ずっと一緒にいるとこの桜貝に誓い合った 

美憂…渚…



「華…。」



ーー海っーー


そう言って笑っていた笑顔が
今では、何故か遠く感じていて


「海?」




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