名前の無い物語
「ハァ…ハァ…。」
吉野は足を止めて息を整える
先には、暗く茂った木々が待ち構えていた
「クソ、見失った…。」
それにしても、この世界にもやっぱりデュアンテがいるんだ
なら俺達がこの世界に飛ばされたって事は、校長に会うだけじゃなくて
デュアンテを倒せって事なのか?
「世界を闇に誘う…か。」
あの黒い影みたいな生物が
世界を危険に晒している
なら、この世界も…?
「これが、俺達がここにいる意味…。」
陽が欠けて来た時間
目の前の木が不気味に佇んでいるように見えた