名前の無い物語
「お屋敷?」桜の言葉に柚歌達は首を傾げた
「私達女子の間では有名なんです…。森の中にあるお屋敷には魔法の鏡があって、その鏡はどんな願いも叶えてくれると。」
「何それ!?私知らなかった!」
一番驚きをあげているのは何故か柚月だった
そんな噂が学園に…しかも女子の間で話題になっていたとは!
「お前女子じゃねぇだろ?」
「女子だよ!」
棗に鋭いツッコミが入るが、棗はスルーをする
その光景はもう皆見慣れてしまっていた
「…そう言えば、魔法が消えた奴…ほとんどが女子じゃねぇか?」
拓也の言う通り
事件の犠牲者の殆どが女子生徒
「…これに関係してるって事か?」
「まだ分からない…。けど可能性はあるだろ?」
棗と拓也の考察
それを聞いて海はある疑問を持った
魔法消失事件と、デュアンテの出没場所が同じ?
この二つも何か関係があるっていうのか…?
「とりあえず、今日は一旦部屋に戻ろう。明日もう一度考え直してみる。」
「オイ馬鹿聞いたか?明日も遅刻しやがったらぶっ飛ばすからな。」
「了解です、拓也。」
「ちょ、棗!私馬鹿じゃないっつーの!」
一気に生まれる笑い声
その光景を見ながら、柚歌達も少し笑っていた