名前の無い物語
皆が静まり返った夜
桜は寮の廊下を歩いていた
森の中のお屋敷
もしこれが、魔法消失事件に繋がっているのなら
この噂を調べれば、犯人がわかるということ
「早く、解決出来たら…。」
泣いていた彼女の顔が頭から離れない
こんな事が起こらなければ、誰も悲しむ事はなかったのに…
「あれ…?」
部屋まであと少し
偶々窓から外を見たら、生徒の姿が森に入っていくのが見えた
あの子達…こんな時間に何を?
考える暇も無く
桜の足は出口に向かっていた