名前の無い物語



「待って!」


森に入ってすぐ
桜は生徒二人に声をかける


「「東雲様…!」」 


マズイ、二人はそんな顔をした
桜は乱れた息を少し整える


「もう消灯時間過ぎてますよ?こんな所で何をしていたんですか?」


「それは…。」



一人が言葉を詰まらせる
こんな夜遅くに森に入るなんて
普通じゃない



「今この森は危険です。一緒に寮に帰りましょう?」


「…けど「どうした?」


新しく聞こえた声
三人は後ろを振り返った



「拓也!」



「「藤堂様!」」




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