名前の無い物語
「ぅ…。」
眩しい日差しが目に入り込んで
吉野は目を擦りながら開く
見えたいつもとは違う天井に
昨日起こった全てを思い出した
…そういえば、違う世界に来たんだっけ?
吉野はベットから体を起こし、着ていた制服に着替える
ネクタイを結び終えたーーその瞬間
「嘘でしょ!?」
柚月の叫び声が部屋に届いた
柚月…?
こっちの部屋に来てるのかな?
そう思って、リビングへ向かう
そこには、吉野以外の全員の姿があった
「…?」
昨日と様子が違う
皆悲しそうだし
桜と拓也は悔しそうだ
「吉野…おはよう。」
吉野に気付いた柚歌
海も挨拶を交わした
「おはよ…何かあったのか?」
吉野の問いに二人は顔をしかめた
二人の行為に吉野は首を傾げる
「桜と拓也の魔法が…消えたの。」