名前の無い物語
「えっ?」一瞬理解出来なかった
二人の魔法が…消えた?
昨日…普通に使えていたのに?
「魔法が使えなくなったなんて…何かの嘘なんでしょ?」
「嘘ではありません、柚月。もう既に実証済みです。」
「…!」柚月は言葉を失った
大切な友達が魔法を失った
何で…?昨日は普通だったのに…!
「昨日、夜に何があった?」
棗の問いに二人は顔を上げる
昨日俺たちはずっと一緒にいた
もし例の噂が原因なら…俺達が寝ていた夜に、二人に何かあったって事だ
「…昨日の夜、C組の奴等が森に入っていくのが見えて…止めに行ったんだ。」
「「!」」吉野達は目を丸くした
「C組の奴等が…?」
「あぁ。桜も止めに行ったみたいで…二人で説得してたんだ。
そうしたら、黒い影みたいな奴に襲われて…。」