七川学園裁判部!



「だーかーら、なんでここで話し合ってんだよ!」


結局三人は居座ったまま、茶を飲み、ドレスについて会議を始めている。


「演劇部にはライバルが多いからな。おお、そうだ聖」

「なんだよ?」

「奈々さんの推薦者はお前だ」

「はあー?」

「本当は俺が奈々さんの推薦者になりたいところだが…」

「だめよ!京くんに一番にお願いしたのは私たちなんだから!」

「そーよそーよ!」

「…と、いうわけだ」

「…と、いうわけだ。じゃねえだろが!」

「まあ、奈々さんには俺が話しておくさ。お前は奈々さんの横にいるだけでいい、オマケだ」

「オマケって……」


俺は一気に脱力した。

京は、ぱさりと冊子をテーブルに載せる。


「これがシンデレラコンテストのテキストだ。よく読むといい」

「テキスト?」


冊子の表紙には、「少女たちよ!美しくあれ!」とデカデカと印字してある。


「コンテストの内容と評価基準が書いてある。奈々さんには後で渡しておく」

「評価基準、ねぇ…」


俺が冊子を手にとろうとした時、


ブルルルル…。


俺の制服のポケットで携帯が震えた。

表示を見ると、奈々からだ。


「もしもし」

「聖!どうしよう…」

「どうした?」

「め…目の前で人が死んだの!」
< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop