七川学園裁判部!
恋に落ちるのは危険です。
「なんで学園祭なんてもんがあるんだろうな」
机の上に脚を乗せ、だらし無く椅子に座りながら呟くのが俺、七川学園裁判部部長の川島聖である。
「うちの部には関係ないからいいじゃない」
そう言いながら課題のノートにせっせと取り組んでいるのが、イトコ(といっても血の繋がりはないのだが)の星野奈々である。
年は一つ下だが、昔俺が学校に通えない期間があったため、一年遅れて同じ学年にいる。
課題を終わらせたらしい奈々は、
「じゃあ、私バイトがあるから」
といって、そそくさと席を立つ。
「お疲れさまでーす」
部室の丸テーブルのあちこちで、本を読んだり、依頼を受けた事件の調査結果をまとめたりなど、思い思いに過ごしていた部員たちが奈々に声をかけ、奈々もそれに答えて、扉を開く。
外からは、あの、学園祭前特有の熱気、というか活気、というか、とりあえず生徒たちの賑わいに満ちた空気が聞こえてきた。
ばたん。
奈々が扉を閉めると、また部員たちは思い思いに過ごし始める。
「部長、この件についてなんですけど・・・」
声をかけられ、俺も机から脚をおろした。