七川学園裁判部!
この朝野姉妹、そろって京に熱をあげている。
京がこの部室に来る度、バタバタと追いかけて来ては、京と三人で寸劇(にしか見えない)を繰り広げていくのだ。
「用事があるならさっさと行けよ。部活の邪魔だ」
と俺が言えば、
「ちょっと、京くんに向かってなんて言い方するのよ!」
「そーよそーよ。本当に聖くんって京さまと違ってガサツ!」
結局、俺にまでとばっちりだ。ため息をついて俺は言った。
「お前らも忙しいんだろ?ほら、なんだっけ、シンデレラコンテスト?あれに出るんだろう、二人とも」
朝野姉妹の顔がぱあっと明るくなる。
「そうなの。私たち二人とも、京さまに推薦者になってもらうの」
「京くんにドレスを選んでもらったら、きっと月が優勝だわ…」
「何言ってるの!私…雪お姉様になら、負けてもかまわないわ」
「月…」
「雪お姉様…」
姉妹は、手を取り合い、見つめ合う。
顔は一緒じゃねえか、と心の中で呟く。
部員たちもさすがに慣れていて自分たちの作業に戻り、今日のお茶当番が姉妹の分の茶を用意している。