茜色の天使~月夜の天使・番外編
それから数日がたった。


オレは未だに、彼女の微笑みが忘れられない。


オレ、どうにかなっちゃったのか・・・?


「加奈、最近あの美織って子、迎えにこないんじゃない?」


渡瀬の親友の清香が美織の名を口にする。


オレは思わず聞き耳を立てる。


「うん、そうだね。もしかして、具合が悪いのかも」


「ふーん、風邪かなんかかな?」


教室に現れなくなった彼女がどうしようもなく気になりだし、オレは1年の彼女の教室まで思わず歩き出した。


教室を外からのぞいてみると、黒板の欠席者の欄には、「倉橋美織」の名。


休んでるんだ。


やっぱり体調が悪いのかな?


それ以上、彼女について知ることもできずオレは学校を出て帰宅の途につく。


ふと、帰り道にいつも渡る橋の上を見ると、


オレの・・・・天使がいた。


美織は、橋の手すりに寄りかかり、何かを思いつめたような瞳で川をのぞきこんでいた。


・・・まさか!?



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