Bloody×Lovers

「人間の心理成長過程には”反抗期”というものがあったが・・・時期は確か中学二年生くらいだろう?」


「反抗期じゃないです」


「では何故、帰りたくないと思う?」


「・・・痛いから、です」


身体の傷は時間がたてば癒えるけど・・・。


心の傷は時間がたっても癒えることはない。


慣れていく、気付かなくなくなっていくだけで、完全に消える事はない。


そんな人間を一時的に満たすものが、快楽。


痛みを忘れるために、痛みを与える。


それが人の、快楽・・・。


「お前らしいな」


匡様が微笑を浮かべる。


「・・・どういう意味ですか?」


「お前らしい理由だという事だ」


「・・・変なの」


匡様の事が少し、分かった気がする。


本能に忠実で、自分の思った事が素直に言えて、それでも相手を傷つけない言葉を発する。


とても、優しい人。


まるで、人間と真逆な───


「お前とも、真逆か?」


「・・・ぇ?」


「お前は、俺達に近い気がするがな」


「・・・読心術?」


「顔に書いてある」


「・・・嘘」


「嘘だ。お前、先程から全て口に出してるぞ」


私は唖然とした。




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