Bloody×Lovers
「ハーフじゃ、ないです・・・」

【じゃあ、どうして?】

話すべきか、一瞬悩んだ、けど───

「生まれつきじゃないんです」

【どういう、意味?】

「・・・14歳の誕生日に、”母さん”にいつも通り突き放されたんです」

でも、あの日はいつも通りじゃなかった。

”母さん”の遊び相手───俗に言う彼氏、というものだろうか。

”母さん”は、私を生んだ”本当の母さん”の親戚らしい。

だから、必要以上は求めないし、文句も絶対言おうとしなかった。

その日、”母さん”の彼氏と”母さん”は、お酒を飲んで酔っ払っていた。

二人はよいながら、ふざけて針を十数本、私に向かって投げた。

一本が、私の左目のまぶたに突き刺さった。

視界に紅がかかる。

”母さん”の笑顔。

いつも通りの家。

赤い液体がついた、床に転がる針。

『うぁ、ぁあ・・・?ぁ、あ・・・あぁあああぁぁぁぁぁあああぁぁっぁああ!!』

───絶叫。

その日、私は目から出た雫と血が混ざり、赤色の涙を流していたという。

2ヶ月間、私は左目に包帯を巻き続けた。

とれば目は開けたと思う。

でも、私は包帯をとろうとしなかった。

(隼騎・・・)

彼は私の目を開かせてくれた。

でも───

私の左目の虹彩は、緑色になっていた。

私は左目のからーコンタクトを入れ、右目と何ら変わりがないようにした。

その2ヵ月後、驚くべきことが起こる。

右目の虹彩までも、緑色に変化し始めた。

・・・右目にもカラーコンタクトを入れ、黒色の目に見えるようにした。

【そんな・・・】

彼女にこの事を話すと、ひどく驚いていた。

【あなたは、まさか───・・・】

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