Bloody×Lovers
【ヒトが、転生したの?】


「どういう、意味・・・?」

【・・・でも、それだったら色が変わった目も説明が尽くし───】

意味が全く分からない。

「どういう意味なんですか?」

【ヒトの魂、悪魔の魂、天使の魂───どれも、器は同じなの】

器・・・?

【ヒトの魂は、死したらどうなると思う?】

「・・・消滅するんじゃないんですか?」

彼女は首を横に振った。

【ヒトの魂が死ぬ、というのは正しい表現ではなかったわ。ごめんなさい】

「じゃあ、本当は?」

【ヒトの魂は───身体から離れたら、どうなると思う?】

身体、から?

【ヒトの魂と身体が離れると───天界か魔界のどちらかに行くの】

どちらか、つまりどちらに行くかは分からないんだろう。

【でも、稀にね。歪められたヒトの魂は、選択することが出来るの】

「歪められた、魂・・・?」

【事故死や病気とかは絶対にありえないけど───

 例えば、・・・運命ではないのに、他の誰かに殺されたとか】

歪められた死は、歪められた、魂。

彼女は、まるで何かの文献を読み上げるように話し出した。

【魂には、時が刻まれている】

【それすなわち、時間の事】

【魂の持ち主が死ぬまでの、タイムリミット】

【自ら時を歪めた者はどの世界にもいけず、永遠に鎖でつながれる】

【また、時を無理矢理歪められた者は選択権が与えられる】

【天海、魔界、人間界、これら3つのうち1つを選択できる】

【何処に行くか、何をするかは、そのものの自由】

自由───

【そしてその魂は、】


【迎えに来た死神に1つだけ願う事ができる】

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