嵐な恋~アラコイ~

その5


「あそこに人影が」
「ほんとか!?」
「うん!」

その頃あたしは必死に
逃げていた。
でもここは人があまりいないから
いいけど・・・
この格好じゃ帰れないし・・・
制服のスカートに靴も
はかずに裸足でカバンもなく
上は下着の上に来ていたシャツ
でその上にブレザーを羽織っている
状態だ。
そしてやっとここまで来て
人がいない悲しそうな
公園にやってきたのだ。
でもここにいたら見つかってしまう
だから私は目の前にあった
遊具に隠れたのだった。

「あ、遊具の中に入ったぞ!」
「いってみよー」
俺らはその紗雪かわからない
人を見で追っていたのだ

ジャリジャリジャリ

(え、足音が・・もうわかったの?)
あたしの心は恐怖でいっぱいだった。
だた身を震えさせ丸まって
息を殺すしかなかったのだ
当然、叫ぶこともできずに・・・
突然向かってきた足音が
私が隠れている遊具の前で止まった
(もう、おわったな)
そう思っても私はまだ息を
殺していた。

「紗雪??」
え、誰かがあたしの
名前を呼んでる??
そう、この声はあたしの
大好きな潤??
「じ…ゅ…ん…??」

そこには紗雪がいた。
身を震わせ、丸まって
息もしてなくて
酷い恰好をしていて
俺は何もできなかった
と、心の中に
残った。そう、それは
消そうとしても
消せないのだった。

「おい、居たぞ」
「ほんとか」
「おう」
「紗雪、大丈夫だよ」
「じ…ゅ……ん…?」

ねぇ、潤なの??
ほんとに潤なの?
潤……

「潤、じゅん~」
「紗雪もう大丈夫だよ」
「うわーん」


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