足並み揃って


営業を終えて東京に帰ると
先輩芸人の柳さんからの電話がなった
「村田ー、今から空いてるかぁー
飲もうやー適当に後輩連れてこいよ」
飲みのお誘いだ。

ちょうどいい。



ーー*ーーー*ーーー*ーー








「村田サンもう空ですわ」



飲みが始まって
俺は1人で焼酎を一升あけてしまっていた




『(グビグビ...)ぷはぁ~』



柳「いやぁー
お前今日スピード早いな。
仕事なんやってん?」


『営業ですよ。営業。
トラックの荷台で5人の年寄り相手に』


「トラックの荷台!
お前らそこで漫才したんか!?」


『そうすっよ。
そこにスタンドマイクがある限り
どこでも漫才をしますよ俺らは』


俺は酒の力を借りて
普段言わない弱音を吐いてしまった

芸人として男として弱音を吐くのは
みっともないと分かっている
が、しかし今日はどうにも
歯止めがきかなかった




中井/後輩「村田サンそうとう酔ってますね」



村田『はぁ~!?酔ってないわッ!』


中井「酔ってますやんか」


村田『酔ってない言うとるやろ!!』


何分かそんなやりとりをしていたら



柳「やめろ。お前ら。
先輩の前でみっともないやろ」


と兄さんに怒られた。



村田『兄さんスイマセン』



中井「すいませんでした。
村田サンもすいません」



村田『おい!』


村田『"も"っておかしいぞ!
お前俺を舐めとんのか!』


中井「だから何回言わすねん!
舐めてへんわ!全部アンタの妄想やろ!
酔うておかしなっとんねん!」


村田『あ゛ぁ!?舐めてへんかったら
こんなこといわねーだろうが!?
あと何回もゆーけど酔ってへんからな!』


柳「お前らのもうちょっと楽しい
ケンカのノリできひんのか」


とガハガハ笑いながら
柳兄さんはミニコントをみていた
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