足並み揃って
翌日は日雇いバイトだった。
芸人だけじゃ食ってけない
朝登録している派遣会社からメールがきて
そこに書かれたバイト先へいき1日仕事をする
だいたいとびか工事現場のバイトだ
バイト中俺は
昨夜の飲み会の事を思い出した
楽しい飲み会だった。
兄さんの嬉しい報告をきけて
ケンカの悪ノリをして。
酒のんでうまいもの食わしてもらって。
...でも
唯一引っかかったことがあった。
それは羽振りも器も大きい兄さんが
テレビの出演の話をした時
雰囲気が悪くなっても
決して「出したるわ!」とは
冗談でも言わなかった事だ
あれは兄さんの生の声だった。
あの時本当に悔しかった。
声が震えそうだった。
だから俺は間をおかずに
しゃべり続けた。
出してもらえないとか意地悪だなとか
そうゆう問題じゃない。
兄さんの目からみたら
俺ら"デンセンブロック"は
その位置には到底いけていない。
とハッキリいわれたことだ。
兄さんは優しいから
一歩なぁ...。と表現したが
それが逆に悔しかった。