私のいとこはネットアイドル
「よし、まずはメイクだな」
そういうと瀬那は私をイスに座らせメイクを始める。
「ねぇ、瀬那。雪夜クンはsenaのこと知ってるの?」
「家族には言ってねぇ!いいからじっとしてろ!」
ぶっきらぼうに瀬那はそういうと、手際よくメイクしていく。

「よし、次は髪の毛だな。ちょっと目ぇとじてろよ?」

そういうと、瀬那は私の髪の毛をツインテールにして、髪の毛にピンクのヘアスプレーをしていく。
「よしっ完成。んじゃ、これ着てちょっと待っててな」
そう言い、瀬那は私に女の子用の洋服とサングラスを渡して来た。
「あれっ?ワンピース着るんじゃないの?それに、なんでサングラス?」
「ワンピースはあっちで取材の後に着るの。サングラスはsenaってバレないようにするの!顔知れてるからね」
「ふ~ん」
瀬那は私にそう告げると、部屋を出ていった。

…それにしても、この洋服もやっぱり手作りなのかな?
私が着た洋服は、白いフリル付きのシャツにおっきい黄色いリボンが付いたシャツ、フリルが何段にも重なったパステルカラーのスカートである。こんなかわいい洋服を考えて作ってしまうなんて、瀬那は女の子に産まれてた方がよかったんじゃないの?と思ってしまう。


しばらくベッドに座っていると、瀬那が戻ってきた。

瀬那はふつうの男の子の洋服を着ている。
こうして見ると、そこらの男子よりかはいくらかカッコイイのにねぇ・・・
そんなヤツがネットアイドルをしていると知れたらどうなることやら・・・

そんなことを考えていると、瀬那が時計を見ながら言った。

「7時30分か・・・うし、そろそろ行くか」


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