私のいとこはネットアイドル
バンッ!!
「っ瀬那!!」
「あ~ら千李奈チャンじゃないですかぁ~」
・・・・終わった。
瀬那のあの勝ち誇ったような態度は、おそらく私の秘密をつかんだらしい。
「っ・・・瀬那・・・アンタ・・・」
「えぇ、知っちゃいましたよ~?千李奈のひ・み・つ」
そういうと瀬那はクスクスと笑っている。
「コレ、どうしようか?」
そういうと、瀬那はヒラリと一枚の写真を取り出す。
「っ・・・返してよ。人の部屋勝手に入り込んで・・・立派な犯罪よ!」
私は瀬那に見つかってしまったその写真が恥ずかしくてちょっと怒ったようにきつく言い放つ。
「俺かって別にお前の弱点見つけに行ったワケじゃねぇよ。本当はあれ以来お前と気まずかったからなんとかしようと思ってさ。んで、お前待ってようと思ってベッドに寝転がってたら偶然この神様からの救いの手が」
そういい、ちょっと嬉しそうにニヤついた瀬那の手にはあの写真。
あの写真とは、そう。瀬那の兄であり私の好きな人、雪夜クンの写真である。
私の初恋であり、尊敬する人、雪夜クンは高校三年生。今となっては好きというより尊敬の方が大きいが、やっぱりあのカッコよさがたまらない。
雪夜クンは高校三年生で来年には有名な大学へ入るため東京へ行ってしまう。
東京へ行ってしまったらなかなか会えなくなってしまうから、それまでにたくさん会いに行こうと思い、瀬那のもとへ来ていたのも計算である。
そしてまさか瀬那に私が頑張ってゲットした雪夜クンの写真を取られようとは思ってもいなかった。
私は恥ずかしさで赤くなった顔を冷ますと、冷静を装って瀬那の方へ向く。
「その写真・・・どうするつもり?」
「ん~。捨ててしまうこともできるし、雪夜兄ぃに見せることもできるけど、それはしない。
交渉しようか。」
「交・・・渉・・・?」
わたしがそうつぶやくと瀬那は意味深な笑みを浮かべた。
~つづく~