私のいとこはネットアイドル
「交渉って・・・?」

「簡単さ。この写真、返してやるから俺のネットアイドルのことも認めて黙っててくれるよな?」
なるほど。
そういう交渉ね。

くやしいけどさすがにあの写真はバレたら困る。
しょうがない、それで手を打つしかないか。

「わかった。それで手を打つわ」

「よし。じゃあ交渉成立だな」

そういうと瀬那はにっこりと笑った。

「でも、瀬那。私、瀬那に謝らなくちゃいけないことが・・・」

「ん~?なんだよ」

そうだ。私は既に亜紅襾とイクトに話してしまっていたのだ。

「じつはね・・・っごめん!亜紅襾とイクトに話しちゃったの!!」

「え?・・・えぇぇぇぇぇ!マジかよ!?」

「ほんっっっとおにごめん!これにはね、深~いワケがあってですねぇ・・・」

「どんなワケだよ?話しくらいなら聞いてやる」

瀬那はちょっと怒ったような、呆れたようなカンジで聞いてきた。

「それは・・・」

私は説明した。

あのあと瀬那と私が気まずくなっていたところを亜紅襾とイクトが察してくれて相談に乗ってくれたこと。
そのおかげで今日、瀬那のもとへ来てちゃんと話ができたってことを。

「・・・というワケでして。あっ!でもあの二人は絶対だれにも言わないよ!」

「そりゃあ、イクトちゃんしっかりしてるしな。亜紅襾ちゃんはしっかり・・・はしてないけど約束破るような子じゃないし」

「でしょ!?だから大丈夫だよ!」

そういうと私はホッとした。

「でもだな」

瀬那にはまだ続きがあるみたいだ。

「えっ?」

私は嫌な予感がした

「たしかにあの二人は守ってくれるだろう。けど、お前は既に俺との約束を破っているワケだ。」

「う、うん・・・」

私は頭が上がらなくなる。

「というワケでだ、千李奈にはひとつ交換条件を出す」

「交換条件!?」

「そう。当たり前だろお前は約束を破ったことになる。でもこれからもこの約束は守って行くワケだから、そう簡単に誰にでも言ってもらっちゃ困るんだよ。ということで交換条件だ」

そう言われると自分は確かに一度約束を破ったことになるわけだから、交換条件を受け入れる必要がある。
私は反抗できなくなってしまったので交換条件をのむことにした。

「・・・わかった。で、その交換条件ってなに?」
まぁ、そんな大したことじゃないだろう。
「交換条件なんだが・・・」
バッ!
「!?」
瀬那がいきなり土下座をした。
またかよ・・・
こんどはなんだ?
「頼む!俺の代わりに写真撮影行ってくれないか!?」

「・・・・・・・・・・・・・はぁあ!?」    ~つづく~



          




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