恋するショコラ《完》
「ほの、大丈夫だからな。」
真人が抱きしめて背中をさすってやるとほのかはふぅっと力を抜いて床に座り込んでしまった。それを真人が腕で抱き止める。
「真人さ、ん、ごめんな、さぃ。」
「ん?ほのは全然悪くないから。」
「で、も、お父さん、が、」
そう言うとほのかはまたブルッと震えた。
真人はまたほのかを落ち着かせるように撫でてやる。
「泣いていいよ、怖かったろ?そばにいてやるから。」
「ふぅ、ひっ、ふ、うぅっ、」
真人の言葉で涙腺が決壊したのか、ほのかは嗚咽をあげて泣き始めた。真人はほのかをぎゅうっと抱き締めて背中や頭を優しく撫でる。
「うぅっ、あぅ、ぅわーん!」
「よしよし。イイ子。いっぱい泣け。」
ほのかは安心したように真人の胸に顔を寄せてしばらく泣き続けた。