恋するショコラ《完》
ほのかは泣き疲れたのか、しばらくたつと可愛らしい寝息をたて始めた。真人はほのかを起こさないようにそっと抱き上げてベッドに寝かせた。少し汗ばんだ、それでも顔色のよくなった額をそっと撫でてやると、無意識なのかすりすりと真人の手のひらに額を寄せてきた。
真人はふっと口元を緩めると優しく髪の毛を撫でてやり、そっとベッドを離れようとした。が、立ち上がろうとするとほのかの手が真人のシャツをぎゅっと握っていた。真人は少々苦笑いしながらも愛しいその小さなてを大きな自分の手で包み込むと、自分もほのかのとなりに横になり、ほのかを抱きしめて眠りについた。
毎日のように夜中に悪夢で魘されて目をさましていたほのかが、この日真人の腕の中で悪夢に蝕まれることなくぐっすりと眠った。