恋するショコラ《完》
朝、カーテンの隙間から光が差し込んでいる。
ほのかは眩しそうに目を細めてそれを眺めた。
昨日思いっきり泣いたので、目は腫れて瞼が重い。
ふと横を見ると真人の整った寝顔が間近にあった。
「ふぇ、ま、真人さん」
ほのかは小さく呟いた。
昨日ベッドに入った記憶はない。
ということは真人がここまで運んでくれたということだ。
そこまで考えてほのかは昨日の醜態を真人にさらしてしまったことを思い出して一人で赤面した。しかも真人が自分のことを好いてくれるなんて、守りたいと言ってくれるなんて夢のようだ。そっと真人の頬に触れる。
真人の家に来てから幾度も真人に抱きしめられたことはあるが、思いが通じてから真人の体温を感じると今までとはまた少し違うドキドキを感じた。
ほのかは思い切って真人の胸元に耳を乗せた。
真人の鼓動がトクン、トクンと規則正しく聞こえて、安心する。
安心したらまた眠くなって、ほのかは真人の胸元に頭を乗せたままうとうとと再び眠りに就いた。