好きです、極道くん!
『・・おい。おい?』



「へ!?な、なに!?」



『ぼーっとしてると置いてくぞ。
こんな暗くなっちまったし・・・』



あーぁ、と頭の後ろをかいてため息。
さっきの顔はどこへやら。





・・あ、そっか。
帰ってたんだもんね・・・。




色々起きすぎて何をしていたのか忘れてたよ。




「ごくどうく・・じゃなかった、極くん!
じゃあ、また明日ね!
遅くなるまで付き合ってもらっちゃって、ごめんなさい」



一緒に帰るのに付き合うもなにもないかとも
思ったけど、早く逃れるにはそれがいい気がした。



・・さっきあんな笑顔見せられたからって、
怖さが減ったわけじゃないし。




『・・おい、おまえ何言って・・』




「そ、それじゃ!」




『あ、おい!!』





極道くんが呼びとめる声も聞かず、
だぁーっ!と脱兎のごとく走り去る。




もう声かけないでーっ!!


てか呼び止められても振り向ける自信がないーっ!






不思議と、家まで1分とかからずたどり着けた。
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