好きです、極道くん!
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「あはははははっ!」




「笑いごとじゃないよ!
どうしよう・・もう・・・」



「ひぃー・・面白すぎるっ。
先輩のげた箱と間違って入れちゃったんだ?」



「・・・」



「手紙にも先輩のげた箱にいれたから
分かってると思って、名前書いてなかったんだっけ?」



「うん・・私の名前は書いてたんだけど・・」



「あーだめっ。超笑えるっ・・あははっ・・」





美咲は笑いを抑えられないって感じ。
お腹を抱えて涙まで流しちゃって・・・



私は人生初の決意をフイにしちゃったんだよっ。
全然笑ってる場合じゃないっ!




おまけに・・・





「よりによって間違えた相手が、
ゴクドウくんなんて・・・っ!」




「そこが最大のツボよねー。あー面白かった。

まさか彼のとこに行くとはね。
まぁこれも運命だと思って、諦めなさいあかり」



「え~!?そんなぁ~!」




「だって、あの人に今更間違えました、なんて言えるの?」




「うっ・・・い、言えない」




「超ノリ気だったんでしょ。
もうちょいしたら迎えに来るかもだけどー」



そうだよっ。あともう少ししたら・・・
でも断ったりしたら・・想像するだけで怖すぎ。



「この学校、この地区一のヤンキーで有名。
お家柄もヤクザとかマフィアとかとにかく裏社会の人間なんじゃって
噂もちらほら。

喧嘩売った人は数日後ぼこぼこにされて帰ってくるとか。
学校にもほとんど来ないのに行事だけは出るっていう・・・」



そう。
私が手紙を出してしまった相手は、
まさに市原センパイとは間逆のタイプ。
悪い意味で、噂の人だったのだ。



極 愁道(キワミ シュウト)。
通称「極道くん」が通り名だ。
もちろんそんな名前で呼ぶなんて恐ろしくて出来ないけど。





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