好きです、極道くん!
「・・・」



『・・・』



「・・・」


・・・お、重い。
空気が・・・




沈黙は金なり、とかいうことわざをぼんやりと
思い出してみたり。


全然金じゃないよ・・・。


なんでこういうときに限って頭の中で勉強しちゃうんだか。




気が紛れていいって意味では合ってるかもだけど。





「・・・」




少しだけ先を歩く極道くんを見た。



意外と背あるんだ・・。
結構見上げないとだめかも。



私はあんまり小さい方じゃないけど。
じゃあ極道くんが大きいってこと?




茶色い髪は陽の光を受けてきらきらと輝く。
二錀のシルバーリングは柄が細かくてよく
見えなかったけど、なんでか左側だけ。



釣り上がった目は猫みたいで・・・・




「・・って!?」


気づけば極道くんがこっちを見ている。
猫みたいな目が見て・・それどころじゃない!




『どうした?』



「へ?!な、なんでもないよ」



あはは、と苦笑いして見せれば
極道くんはまた不機嫌な顔になる。



ひぃいー!お、怒ってらっしゃる!?



心の中で涙目になっていたら極道くんの顔が近付いてくる。




『・・悪ぃのか』



「・・へ?」



『・・だから、具合でも悪ぃのか』



「ぐ、具合?ううん、全然・・・」



ただ極道くんを見ていただけ、なんですけど・・。




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