好きです、極道くん!
『・・ならいい』




そう言ってまた歩いて行ってしまう。



・・ひょっとして今のって、
心配してくれた、のかな?



「・・・」



ちょっとだけ急いで彼の隣を歩く。
すると極道くんはちら、と横目でそれを見た。



・・すると。




「よぉ、極じゃねーか」




「女連れで学校帰りたぁいい度胸だな、おい?」




「ひっ・・!」



見れば、曲がり角から他校の制服を着た男の人たちが3人くらい。



見るからに極道くんの同業者って感じなんですけどー!




『・・んだよ。おまえらの相手してる暇なんかーねーんだ』



とっとと散れ、そう言って睨みつける極道くん。


その顔はさっき心配してくれた優しそうな顔なんかより
ずっとずっと迫力あって・・・



正直、恐ろしくて見ていられなかった。




怖いぃいい!美咲怖いよー!




ものすごく帰りたい。
・・だ、だけどだめだよね。


私は勘違いとはいえ今は極道くんの彼女なんだもん・・・。



・・彼女って言葉使うなら、先輩の前が良かったんだけど。




はぁあ、なんてまたため息をついてたら。
手に感じる違和感。



「へっ?」



「へぇー?おまえにしちゃ珍しい好みしてんな。
セイソ系かよ」



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