律side


「…好き…」

「俺もだから!俺も…」

「今まで…ありがと…好きに、ってくれて…ありが、と…」

「紫苑…?紫苑!!」

「姉さん!!」

「紫苑!」

「どいてください!先生!」

「何もしないでください!!」


俺は紫苑に触ろうとした、先生に怒鳴った。


「紫苑に…何も、何も…しないでください。紫苑はそれを望んでるんです…」

「律先輩、なんで!?」

「紫苑がそう言ってんだ。もう、静かに眠りたいって」

「なら、静かに眠らせてあげようよ。紫苑が望んでるなら」

「…はい…」


俺は静まり返ってる部屋にいる、先生達に最後の願いを言った。
最後くらい、やってもいいだろ。


「最後に、紫苑にキスしていいですか?」


先生達は少しだけ微笑んで、願いを許してくれた。


「紫苑…またな…」

―チュッ




またな。俺の愛しい人。
また、会おうな。
紫苑…。
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