「紫苑…っ紫苑…っ」

「落ち着け、律!」


床に落ちてるしおんの花を兄貴が見ると、兄貴には何があったかわかったみたいだった。


「姫が…来たんだな…」


俺がしおんの花を見たとき、その花はしおれた。
紫苑が去ったかのように、しおれ散った。
この部屋に残られいたのは、紫苑からの手紙と泣き崩れた俺。
そして、悲しみを隠しきれない兄貴だけだった。
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