『ずっと記憶と思い出に、私は花を咲かすよ。しおんっていう花をね』

『ああ』

『幸せに暮らして。私はそれだけ望んでる』

『わかったよ』

『じゃーね!!』

『またな』



「またな、紫苑」


あえてさようならを言わない。
それは俺達が決めたことだ。
さようならは悲しい。
さようならは寂しい。
さようならは辛い。
紫苑が俺に言ったから、さようならの変わりの言葉を言う。
別に、また会えるし。
ここで。
そして夢で。
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