俺は仕事を片付けると、早々と帰った。
姉さんの分のプリンを持って、姉さんのとこへ。
墓石の前に来ると、何やら真新しい線香が。
だらしない花の入れ方から見ると、多分…錫也先輩。
暇があったのかな。


「姉さん、プリン買ってきたよ」


プリンを置いて、線香をあげる。
俺は姉さんの前に来ると、沢山話したいことを話してしまう。
姉さんが聞いてなくても。


「錫也先輩来たんだね。花の入れ方雑だよね!…忙しい中来てくれただけでも、姉さんは嬉しいか…」


嬉しいだろうよ。
寂しがり屋さんだもん。
3人の中で、誰か来ないと寂しそうな顔するし。
誰かしら来たら、顔色も変わるし。


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