「覚えてないの?」

「俺達を沢山バカにしたこと」


兄貴はちょうど1ヶ月前に、俺達を目の敵にするように、散々バカにしたんだ。
とくに傷ついたのは紫苑。
バカにされたのが悔しかったらしい。
俺は大切な紫苑を傷つけた兄貴が、ちょっとばかし憎らしかった。
だから紫苑に便乗して、兄貴をはめることにしたんだ。


「あれだけでか…?」


「あれだけとはなんだよ!紫苑がムカついてたんだぞ!」


そんの知らねーし。
みたいな顔をする兄貴。
紫苑は多少笑ってるが、目が笑ってないわ。

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