【短編】年下彼氏
あたしも悔しくなって
手に力を入れてみる。
「………っ…!」
あたしがどんなに力を入れても
亮佑の腕は、全然ビクともしない……
………怖いっ…
あたしは、怖くなって
目を堅く瞑った。
すると、亮佑は
あたしの手首から手を離した。
「世菜はさ、俺なら何もしないって
安心し過ぎ」
あたしは、瞑っていた目を開けた。
「でも、亮佑は、あたしに何もしないよ?」
「何で言い切れるわけ?」
「何でって……」
根拠はないけど
亮佑は、そんなことする人じゃない。
そんなことを思っていたら
亮佑が口を開いた。
「好きな女が目の前にいて、
普通にいれる男なんて、いねーんだよ」
「えっ………?」
好き…な女……?