暗闇のアリス first story[完結]
in保健室
「熱中症ね」
目の前の保険医、深秋 真香ミアキ マコの言葉に全員が眉間にシワを寄せる
「真香ちゃん!藍は大丈夫なのかよ!」
葉瑞が焦った口振りで声を張り上げる
「ええ、多分もともと暑さに弱い体質なんじゃないかしら?皮膚も少し赤みを帯びてるし…」
「良かったー」
サクはフーと胸を撫で下ろしている
「まぁ、真香ちゃんは体育祭に戻らないといけないけど…あなたたちは、」
「ここにいる」
「そう、分かったわ。起きたらまずは水を飲ましてあげてね」
「ああ」
じゃあね~、と軽く保健室から出ていった
サクが保険医の座っていた椅子にまたがる
「はあー、良かった良かった」
藍、俺たちはな、
てめぇが言わなくても分かるような…
すげー人間じゃねーんだよ
お前の変化もろくにわからねーんだ
藍の寝ているベッドに近寄る
「もっと……頼れよ…」
無意識に唇を噛み締めた